よく「食べれば精がつく」などと言われて、活力不足や性欲低下を感じる人が取り入れたい食材に入っているうなぎ。
実は、この認識は残念ながら間違っているかもしれません。
「え?うなぎが性欲に良いってデマなの!?」
「期待して食べていたのに…」
今回はうなぎがなぜ性欲回復に良いとされ、そのイメージが根強く浸透しているのかを解説していきます。
実はうなぎが性欲回復に良いという科学的根拠はない
残念ですが、うなぎには精力を強めたり、性欲を上げる効果は科学的・医学的にも証明はされておらず、そのようなデータもありません。
そのため、うなぎが精力や性欲に効果があるという認識はあくまで一般的なイメージに過ぎないのです。
ではなぜ、私たちはうなぎにそのようなイメージを持つようになったのでしょうか?
諸説ありますが、4つの理由が考えられたので紹介していきます。
うなぎが精力・性欲向上に良いとされた理由4つ
火のないところに煙は立たない、というように「うなぎは精がつく」と言われ始めた理由も何かあるはずです。
中には「うなぎには本当に精よく向上の効果があるかも?」と期待ができる理由もありますので、是非最後まで読んでみてください。
“昔は”精をつける大事な栄養源だった
うなぎが一般的に食べられるようになったのは江戸時代と言われており、
あの有名な万葉集にも登場しているため、かなり古い時代から親しまれている食材です。
江戸時代では「精=性欲を高める」という認識ではなく、
「精のつく=活力・元気をつける」という意味で「精のつく食材といえばうなぎ」といい、体がバテやすい夏に食べることが多かったそうです。
この習慣が、今の「土用の丑の日」につながっていると言われています。
現代ではいろんな栄養素の存在や効果効能も明確になっていますが、昔の人にとっては「元気がつく貴重な栄養源」だったので、うなぎは好まれて食べられていたのでしょう。
実は「うなぎには性欲を高める効果がある」と書かれた江戸時代の書物もあるらしいですが、残念ながら科学的な分析がされた上での記述ではありません。
栄養豊富で美味しく食べられるうなぎは、江戸時代から親しまれてそのイメージや言い伝えが今の現代まで続いているのでしょう。
そして「精がつく」の意味だけ少しずつ変わっているのかもしれません。
銘菓「うなぎパイ」のキャッチフレーズ
静岡県浜松市の銘菓である「うなぎパイ」
皆さんはこのうなぎパイのキャッチフレーズをご存知でしょうか?
うなぎパイのキャッチフレーズは「夜のお菓子」
「うなぎ」と「夜」と聞くと、少し大人な意味や雰囲気を感じてしまいますよね。
しかし、このキャッチコピーをつけた春華堂の2代目社長のイメージは「夜の家族団らんの時間に食べて欲しい」というのが真意。
共働き世代が増え、なかなかゆっくり家族が夜に集まって団らんすることって減ってきましたよね。
そんな時代背景をみてつけられた素敵なキャッチコピーです。
しかし、商品名に「うなぎ」と入っていることで一部で勘違いが起きてしまったのかもしれません。
実際にうなぎパイには「うなぎエキス」も練りこまれているので
「うなぎパイでも精をつけられる!?」
「やっぱりうなぎは“夜”に良いんだ!」
…と、誤解を生んでしまったのかもしれません。
ビタミンB2、D、亜鉛が豊富
うなぎが直接精力向上に効果があるというデータはありませんが、栄養素が豊富なのは事実です。
特徴的な栄養素は下記の3つ。
・回復力を高める効果を持つ「ビタミンB2」
・男性ホルモンを高める「ビタミンD」
・疲労回復と免疫力UPの「亜鉛」
体や心が疲れていると、性欲が湧きづらかったり
夜の時間になかなか機能しないといった問題が起こりやすくなります。
ひどくなって疲れやストレスによって生活が乱れた場合、男性更年期障害になってしまう場合も…。
そのため、ビタミンB2や亜鉛の「回復力向上・疲労回復」という部分が注目されて、それが性欲向上につながる理由とされているのかもしれません。
また、ビタミンDには「精子の運動能力の向上」と「男性特有ホルモン“テストステロン”の向上」に効果があります。
特にテストステロンは筋肉質な体や骨格を構成するための「男らしさ」を作るために重要な性ホルモンです。
このホルモンが減ってしまえば、次第と性欲も減少していきます。
うなぎ自体に直接「精がつく」原因はありませんが、このように“うなぎに含まれる栄養素1つ1つ”に精の向上につながる成分が含まれているのは事実。
この部分をまとめて、うなぎと精力向上を強く紐付けるイメージが広まったのかもしれません。
オメガ3脂肪酸が含まれている
うなぎには体の健康に必須になる「オメガ3脂肪酸」が含まれています。
オメガ3は血流改善の効果があり、血流がよくなると改善される1つが「勃起力」。
勃起は、男性器に一気に血流が流れ込むことで起こる減少です。
血流が悪くなれば、その分その勢いも弱くなってしまう。
それに加えてオメガ3は脂質なので、質の良い製紙の生産にも繋がります。
他にも様々な健康面で良いとされるオメガ3脂肪酸ですが、男性にとって嬉しい効果もあるため
その栄養素が含まれるうなぎに「精のつく食材」として多くの人が期待を持っているのでしょう。
「完全なデマ」とは言い切れないかも?
先ほども記述した通り、うなぎ自体に直接精力向上に効果があるというデータはありません。
しかし、うなぎに含まれる栄養素に性欲や男性能力向上の期待が持てるのは事実。
全くのデマとは限らず、あくまで栄養素レベルで効果が期待できるかもと言えます。
江戸時代から現代まで言い伝えられるほど、うなぎの効果に期待を寄せている人は多いと言えますし
実際に「食べると元気が出る」「夏が乗り切れる」と感じる人も多いのではないでしょうか。
全く期待しないのではなく、食べる機会があれば積極的に取り入れてみるのが良いかもしれません。